喧嘩稼業 7巻 ネタバレ感想| 佐藤十兵衛の卑怯!佐川徳夫の微笑!
- 05/06/2017 23:15
『喧嘩稼業』7巻のネタバレ感想をレビュー。作者は木多康昭。掲載誌はヤングマガジン。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックの格闘漫画。
本家漫画ブログ「ドル漫」の「おすすめ人気格闘マンガランキング」でも『喧嘩稼業』をランクインさせましたが、気付いたら新刊コミックのレビューをやってなかったので今回は7巻のネタバレ感想を書きたいと思います。
『喧嘩稼業』7巻までの展開を簡単におさらいしておくと、工藤優作が梶原修人を倒した続きになります。梶原修人が用意した屍(毒)を盛られるものの、工藤優作が土壇場で逆転。裏ではヤクザ同士の抗争や権力闘争も複雑に絡むなど、いずれ再び梶原修人が登場するか。
(喧嘩稼業 7巻)
そして主人公・佐藤十兵衛は試合直前に医師・後藤と駆け引き。漫画『喧嘩稼業』が面白いという考察記事でも触れましたが、試合外での攻防も面白い。
後藤はかつて佐藤十兵衛と戦った柔道家・金田のセコンドを担当しており、現在は芝原剛盛のセコンドを担当してる。この芝原剛盛は末期ガン患者。そこで痛みを抑えるための、後藤は芝原剛盛に違法な薬を処方してる。
ここらへんの経緯は『喧嘩商売』を読んでいただくとして、佐藤十兵衛は後藤にドーピング薬をせびる。何故なら次の対戦相手・佐川徳夫が強敵すぎて一筋縄ではいかないから。でも後藤は一蹴。芝原剛盛にドーピング薬を盗まれないように入れ知恵されていた。
何故芝原剛盛は弱いはずの佐藤十兵衛に肩入れしなかったのか?芝原剛盛と佐藤十兵衛がトーナメント的に相見える可能性は低いが、佐川徳夫のような強敵が負ける可能性が高い方がおいおい有利になるはず。むしろ佐藤十兵衛は陰陽トーナメントの中では「最弱の駒」扱い。
(喧嘩稼業 7巻)
答えは「佐藤十兵衛を味方に引き入れる」ため。佐藤十兵衛が負ければもう試合をすることがない。つまりは最弱の駒は試合外で動かすことで「最強の駒」となる。まさに水面下での攻防・駆け引きがこんな場面でも起きてる。
そして試合。佐藤十兵衛と佐川徳夫の戦いが始まる。佐川徳夫は日本拳法(日拳)の使い手。打撃最強。しかも相手の嘘を見抜くプロ。果たして佐藤十兵衛はどう対抗するのか。それが圧倒的な伏線。
(喧嘩稼業 7巻)
まず佐川徳夫の兄・佐川睦夫が「試合中にリングに降りてきて襲ってくるか?」を教えてくれよ、と煽る。佐川睦夫は特別席で観戦してて、その姿がリング場からも確認できる。これもあらかじめ張っておいたワナ。
一応説明しておくと、5巻かどっかで佐藤十兵衛は最初、佐川徳夫と佐川睦夫を試合外でぶつけて不戦勝を狙うつもりだった。結果的に失敗に終わったものの、それを伏線として利用した。
(喧嘩稼業 7巻)
更に佐川徳夫に殴られたフリをして、自ら豪快に倒れる。まさに公安警察も真っ青の転び公妨。佐川徳夫は動ぜず「すぐバレる」と一笑に付すが、佐藤十兵衛は英語で「問題ない」と佐藤コールを観客に煽る。これもワナ。
そして佐藤十兵衛が次のワナを仕掛ける。兄・佐川睦夫をTVモニターで観戦するようにボーイに命令させ、窓際から遠ざける。しかし佐川徳夫にとっては「佐川睦夫が消えた=自分を襲いに来る」と勘違い。先程の伏線がここで生きる。
トドメは佐藤十兵衛が観客に仕掛けておいた同級生に「危ない!佐川睦夫だ!」と絶叫させる。更にけたたましいブザーを鳴らせる。
(喧嘩稼業 7巻)
つまりは圧倒的な不意打ち。佐藤十兵衛の煉獄。一度ワナにハマった佐川徳夫が逃れる術はなし。
しかも前もって佐川徳夫のセコンド・川上竜にも「止めに入らないよう」に伏線を張っておいた。「反則だから誰かがすぐ止める」と佐川徳夫だったが、煉獄は40秒。もはや手遅れ。
そして佐藤十兵衛のセコンド・高野に止めさせ、反則のそしりを回避。先程の意図的な転び公妨もここで生きてくる。何故なら、既に反則を犯した佐川徳夫を許しているから。この程度のことで佐藤十兵衛は反則負けにならない。
(喧嘩稼業 7巻)
もちろん佐藤十兵衛はここで終わらない。深刻なダメージを負ってる佐川徳夫に対して、「さっさと起きろ!同情引こうと思ってんじゃねーよ!」と痛罵。ただ、このままでは佐川徳夫のダメージ回復を待つための休憩時間を取られる可能性がある。
(喧嘩稼業 7巻)
佐川徳夫が逃げないように、今度は同級生を使って「佐川コール」起こさせる。佐川徳夫が今すぐゴングを鳴らせと主張している、と。圧倒的反則。圧倒的仕込み。これが最弱にして最強たる所以。
じゃあ佐川徳夫が防戦一方なのか。それは半分正しいが、半分間違い。佐川徳夫に隙はない。
日拳はグローブを着用して戦う格闘技だから投技ができない?相手をつかめない?NO。佐川徳夫を掴みにかかった佐藤十兵衛を投技でカウンター。「仕込み」を用意してたのは佐藤十兵衛だけではなかった。
ただ煉獄の奇襲は間違いなく深刻なダメージを与えていた。次に佐藤十兵衛が取る選択は「体力を削る」こと。このまま膠着状態で佐川徳夫に体力を回復されるのが一番の悪手。
(喧嘩稼業 7巻)
しかし佐川徳夫のロープの反動を利用しての直突き。叩きつけるように底拳の降ろし打ち。先に鼻を潰されてしまう。
(喧嘩稼業 7巻)
そして日拳得意技の金的。佐川徳夫の体力を削るどころか、むしろ佐藤十兵衛のダメージが蓄積していく。最小限の動きで全て佐藤十兵衛の攻撃が撃ち落とされる。
(喧嘩稼業 7巻)
佐川徳夫の顔には「殺意を含んだ微笑」が浮かんでいた。佐藤十兵衛が用意したトラップは無くなったのか?そして佐藤十兵衛はリードパンチ(縦拳)で佐川徳夫の直突き(縦拳)に立ち向かう。苦し紛れか、王道か、はたまた伏線か。
果たして勝利の女神はどっちに微笑むのか?という場面で『喧嘩稼業』7巻は終了。
以上、『喧嘩稼業』7巻のネタバレ感想でした。現時点では『喧嘩稼業』8巻まで発売されてますが、安定して面白い格闘漫画ではないでしょうか。ガチで面白いおすすめ漫画ランキングでも『喧嘩稼業』をランクインさせましたが、休載が多いこともあってか心理戦や伏線の回収など相変わらず上手い。
(喧嘩稼業 7巻)
入江文学の無職ネタいじりなど、コメディー要素も適度で面白かった。画像は「無職のあいつには無限の時間があった」と驚愕してる場面ですが、さすがに入江文学の扱いがヒドい。もはやDT以前の問題。
本家漫画ブログ「ドル漫」の「おすすめ人気格闘マンガランキング」でも『喧嘩稼業』をランクインさせましたが、気付いたら新刊コミックのレビューをやってなかったので今回は7巻のネタバレ感想を書きたいと思います。
試合外の攻防
『喧嘩稼業』7巻までの展開を簡単におさらいしておくと、工藤優作が梶原修人を倒した続きになります。梶原修人が用意した屍(毒)を盛られるものの、工藤優作が土壇場で逆転。裏ではヤクザ同士の抗争や権力闘争も複雑に絡むなど、いずれ再び梶原修人が登場するか。

(喧嘩稼業 7巻)
そして主人公・佐藤十兵衛は試合直前に医師・後藤と駆け引き。漫画『喧嘩稼業』が面白いという考察記事でも触れましたが、試合外での攻防も面白い。
後藤はかつて佐藤十兵衛と戦った柔道家・金田のセコンドを担当しており、現在は芝原剛盛のセコンドを担当してる。この芝原剛盛は末期ガン患者。そこで痛みを抑えるための、後藤は芝原剛盛に違法な薬を処方してる。
ここらへんの経緯は『喧嘩商売』を読んでいただくとして、佐藤十兵衛は後藤にドーピング薬をせびる。何故なら次の対戦相手・佐川徳夫が強敵すぎて一筋縄ではいかないから。でも後藤は一蹴。芝原剛盛にドーピング薬を盗まれないように入れ知恵されていた。
何故芝原剛盛は弱いはずの佐藤十兵衛に肩入れしなかったのか?芝原剛盛と佐藤十兵衛がトーナメント的に相見える可能性は低いが、佐川徳夫のような強敵が負ける可能性が高い方がおいおい有利になるはず。むしろ佐藤十兵衛は陰陽トーナメントの中では「最弱の駒」扱い。

(喧嘩稼業 7巻)
答えは「佐藤十兵衛を味方に引き入れる」ため。佐藤十兵衛が負ければもう試合をすることがない。つまりは最弱の駒は試合外で動かすことで「最強の駒」となる。まさに水面下での攻防・駆け引きがこんな場面でも起きてる。
佐藤十兵衛の伏線と奇襲
そして試合。佐藤十兵衛と佐川徳夫の戦いが始まる。佐川徳夫は日本拳法(日拳)の使い手。打撃最強。しかも相手の嘘を見抜くプロ。果たして佐藤十兵衛はどう対抗するのか。それが圧倒的な伏線。

(喧嘩稼業 7巻)
まず佐川徳夫の兄・佐川睦夫が「試合中にリングに降りてきて襲ってくるか?」を教えてくれよ、と煽る。佐川睦夫は特別席で観戦してて、その姿がリング場からも確認できる。これもあらかじめ張っておいたワナ。
一応説明しておくと、5巻かどっかで佐藤十兵衛は最初、佐川徳夫と佐川睦夫を試合外でぶつけて不戦勝を狙うつもりだった。結果的に失敗に終わったものの、それを伏線として利用した。

(喧嘩稼業 7巻)
更に佐川徳夫に殴られたフリをして、自ら豪快に倒れる。まさに公安警察も真っ青の転び公妨。佐川徳夫は動ぜず「すぐバレる」と一笑に付すが、佐藤十兵衛は英語で「問題ない」と佐藤コールを観客に煽る。これもワナ。
そして佐藤十兵衛が次のワナを仕掛ける。兄・佐川睦夫をTVモニターで観戦するようにボーイに命令させ、窓際から遠ざける。しかし佐川徳夫にとっては「佐川睦夫が消えた=自分を襲いに来る」と勘違い。先程の伏線がここで生きる。
トドメは佐藤十兵衛が観客に仕掛けておいた同級生に「危ない!佐川睦夫だ!」と絶叫させる。更にけたたましいブザーを鳴らせる。

(喧嘩稼業 7巻)
つまりは圧倒的な不意打ち。佐藤十兵衛の煉獄。一度ワナにハマった佐川徳夫が逃れる術はなし。
しかも前もって佐川徳夫のセコンド・川上竜にも「止めに入らないよう」に伏線を張っておいた。「反則だから誰かがすぐ止める」と佐川徳夫だったが、煉獄は40秒。もはや手遅れ。
そして佐藤十兵衛のセコンド・高野に止めさせ、反則のそしりを回避。先程の意図的な転び公妨もここで生きてくる。何故なら、既に反則を犯した佐川徳夫を許しているから。この程度のことで佐藤十兵衛は反則負けにならない。

(喧嘩稼業 7巻)
もちろん佐藤十兵衛はここで終わらない。深刻なダメージを負ってる佐川徳夫に対して、「さっさと起きろ!同情引こうと思ってんじゃねーよ!」と痛罵。ただ、このままでは佐川徳夫のダメージ回復を待つための休憩時間を取られる可能性がある。

(喧嘩稼業 7巻)
佐川徳夫が逃げないように、今度は同級生を使って「佐川コール」起こさせる。佐川徳夫が今すぐゴングを鳴らせと主張している、と。圧倒的反則。圧倒的仕込み。これが最弱にして最強たる所以。
佐川徳夫が最強たる所以
じゃあ佐川徳夫が防戦一方なのか。それは半分正しいが、半分間違い。佐川徳夫に隙はない。
日拳はグローブを着用して戦う格闘技だから投技ができない?相手をつかめない?NO。佐川徳夫を掴みにかかった佐藤十兵衛を投技でカウンター。「仕込み」を用意してたのは佐藤十兵衛だけではなかった。
ただ煉獄の奇襲は間違いなく深刻なダメージを与えていた。次に佐藤十兵衛が取る選択は「体力を削る」こと。このまま膠着状態で佐川徳夫に体力を回復されるのが一番の悪手。

(喧嘩稼業 7巻)
しかし佐川徳夫のロープの反動を利用しての直突き。叩きつけるように底拳の降ろし打ち。先に鼻を潰されてしまう。

(喧嘩稼業 7巻)
そして日拳得意技の金的。佐川徳夫の体力を削るどころか、むしろ佐藤十兵衛のダメージが蓄積していく。最小限の動きで全て佐藤十兵衛の攻撃が撃ち落とされる。

(喧嘩稼業 7巻)
佐川徳夫の顔には「殺意を含んだ微笑」が浮かんでいた。佐藤十兵衛が用意したトラップは無くなったのか?そして佐藤十兵衛はリードパンチ(縦拳)で佐川徳夫の直突き(縦拳)に立ち向かう。苦し紛れか、王道か、はたまた伏線か。
果たして勝利の女神はどっちに微笑むのか?という場面で『喧嘩稼業』7巻は終了。
喧嘩稼業7巻の総括
以上、『喧嘩稼業』7巻のネタバレ感想でした。現時点では『喧嘩稼業』8巻まで発売されてますが、安定して面白い格闘漫画ではないでしょうか。ガチで面白いおすすめ漫画ランキングでも『喧嘩稼業』をランクインさせましたが、休載が多いこともあってか心理戦や伏線の回収など相変わらず上手い。

(喧嘩稼業 7巻)
入江文学の無職ネタいじりなど、コメディー要素も適度で面白かった。画像は「無職のあいつには無限の時間があった」と驚愕してる場面ですが、さすがに入江文学の扱いがヒドい。もはやDT以前の問題。