一日外出録ハンチョウ 1巻 ネタバレ感想| 大槻班長の優雅なグルメ日誌
- 06/14/2017 00:00
『一日外出録』1巻のネタバレ感想をレビュー。作者は福本伸行(協力)、萩原天晴(原作)、上原求と新井和也(漫画)。掲載誌はヤングマガジン。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックのグルメ漫画。AmazonのKindleや楽天koboなどでも試し読み・立ち読みできます。
『一日外出録ハンチョウ』は言ってしまうとおすすめギャンブル漫画としても有名な『カイジシリーズ』のスピンオフ漫画。主人公はチンコロ勝負でカイジも苦しめられた、あの大槻班長。張り付いたような笑顔が印象的な小太りのハゲと言えば思い出す読者も多いか。
先程書いたように主人公は大槻班長。じゃあ地下の強制労働施設でストーリーが展開するのかと言えばNO。
『賭博破戒録カイジ』のあらすじを思い出してもらうといいんですが、「一日外出券」なる素晴らしいアイテムが存在しました。その名の通り、一日だけ外出するための権利。この権利を行使してカイジたちは例の「沼」と呼ばれるパチンコ台で大勝負した記憶は今でも鮮明に残っています。
ただ大槻班長が外界に開放されて何をするのかと言えば、もちろん借金返済のために動くなんて惨めなことはしません。一体何を楽しみに外界に出るのかと言えば、食(グルメ)。だから『一日外出録ハンチョウ』のあらすじを簡単にまとめるなら、大槻班長が外で様々な食べ歩きを始めるみたいな内容になります。
(一日外出録ハンチョウ 1巻)
例えば沼川と一緒に外出した時には、24時間というタイムリミットに焦る沼川に対して、ヤングマガジンを差し出して「落ち着け」と余裕しゃくしゃくの大槻班長。果たして、こんなハンチョウが好むグルメとは一体何なのか?
ちなみにこの後、日が暮れるまでマンガ談義に花を咲かせる二人。さすがに時間のムダ使いしすぎやろ(笑)
この『一日外出録ハンチョウ』では主人公・大槻班長の様々な一面が垣間見えます。たかだかストーリーは一話一日話分程度しかないものの、これが実に多彩に展開する。
(一日外出録ハンチョウ 1巻)
例えば錦糸町の公園で開放された回では、大槻班長はこの周辺の大学に通っていたことが発覚。つまり大槻班長は地味に高学歴だったらしい。
今でこそ姑息なギャンブラーまがいのことで私腹を肥やしてますが、当時は歌手を夢見たこともあったどこにでもいる若者だったらしい。確かに頭の回転が遅かったらリーダーを張れない上、あんなことで暴利を貪れません。
ここでは貧乏学生だった当時の懐かしい記憶が思い出される。最初は安牌の叙々苑に食事に行こうかと考えていたものの、大刻屋という中華料理屋に向かう。そこの大将はぶっきらぼうなものの、学生たちには格安でカニチャーハン特盛りをこっそりと提供してくれていた。大槻班長はそこの圧倒的常連だった。
そして25年ぶりに再会した二人は…という、ちょっとしんみりしつつも笑えるオチが待ってる。
(一日外出録ハンチョウ 1巻)
他にも沼川と一緒に外出した時には、夏祭りに遭遇。地下労働施設には当然こんな華やかなイベントは行われないので、思わず童心に帰って豪遊しまくる二人。ただ大槻班長は祭り実行委員会本部に何故か差し入れ。
あれ?大槻班長にも優しい一面があるらしい。いくら外出できたとはいえお金には限りがあるため、沼川は当惑。まさか地下労働施設で改心したのかと思いきや、NO。大槻班長には思惑があった。
敢えて善意を装って祭り実行本部に差し入れすることで、既にお酒でできあがって気持ち良くなっている運営メンバーたちから「一杯飲みませんか?」という言葉を引き出す。つまり自分たちが差し入れした食事も結果的に食べられるだけではなく、無料でお酒(飲み仲間たち)もゲットした。
(一日外出録ハンチョウ 1巻)
まさに「朝まで飲み放題」というハンチョウイリュージョン。なんという策士。なんというコミュ力。損して得取れとはこのこと。ちょいちょい画像の様に大槻班長のお茶目なデフォルメシーンが描写されます。
だから良いヤツっぷりをちょいちょい発揮するものの、やっぱり大槻班長の底意地の悪さも垣間見えます。それがこの『一日外出録ハンチョウ』1巻の一話目。
(一日外出録ハンチョウ 1巻)
日比谷公園で開放された大槻班長は、何故かスーツ姿をびしっと決めこむ。黒服たちも「どうせまた地下に戻るのに意味不明」と当惑気味。じゃあこのままもしかすると就職活動でも行うのかと言えば、もちろんNO。
(一日外出録ハンチョウ 1巻)
スーツを着込んだ大槻班長は何故か立ち食いそば屋に入店。しかも食べログの評価が3.2というTHE平凡なお店。黒服たちも「サラリーマン御用達の普通の店です」と驚愕気味。しかし昨今の食べログ至上主義みたいなもんはなんなんだ。週刊文春でも「うどんが主食」とかいうユーザーがディスられていましたが。
ただ大槻班長の狙いはまさにそこにあった。
(一日外出録ハンチョウ 1巻)
立ち食いそば屋にも関わらず、テーブル席に座った大槻班長は生ビールを頼んで豪快に飲み干してみせる。しかも立て続けに大ジョッキを頼んで、真っ昼間からお酒を浴びるように飲む。まさに重役さんたちの如し。そう、まさに大槻班長の狙いはそこ。
普通のサラリーマンは昼間から酒を飲むなど言語道断。外回りの営業マンの口からアルコールの匂いが漂ってきたら、圧倒的即断拒否されるに違いない。黒服たちも同様に歯ぎしり。ここで特にビシっと着用したスーツが生きてくる。何故なら大槻班長が汚い私服姿であれば、ここまでサラリーマンたちはもんどり打たないはずだから。
(一日外出録ハンチョウ 1巻)
つまり大槻班長はスーツを着こなすだけで、王が鎮座する「玉座の間」を立ち食いそば屋において即席で作ってしまったのだ。まさに悪魔的嫌がらせwww
ただ大槻班長、こんな地味な嫌がらせしてる暇があれば、さっさと地下の強制労働施設から脱出して会社でも興せばいいのに、と思ったのは内緒(^_^;)
以上、『一日外出録ハンチョウ』1巻のネタバレ感想でした。『中間管理録トネガワ』が面白いと評判だったから、新しくスピンオフ漫画を発売しました的な軽いノリだったんでしょうが、その割にはかなり内容はクオリティーが高め。
結論から書くなら、『一日外出録ハンチョウ』は面白かった。お暇であれば、「一日外出録ハンチョウ」が面白いかつまらないかの視点で考察したレビュー記事も参考にしてください。東京の地理はいまいち知りませんが、それでもしっかりグルメ漫画的なアプローチから仕上がってるのも見もの。
(一日外出録ハンチョウ 1巻)
1巻のラストでは別のC班班長の小田切が外出時にタブレットをゲット。その後、地下労働施設内で簡易映画館を運営。この小田切の「映画館ではお静かに」というドヤ顔っぷりが痛い笑いを誘う。
どこでも映画やマンガも見れるんだから本当に便利な時代になりましたが、大槻班長からして見たら稼ぎ頭が奪われたカタチ。しかも次に上映するのはあの有名ドラマ『プリズンブレイク』。そこで小田切の外出時に合わせて、大槻班長も外出。そして「どうですか一杯?」と不敵な笑みを浮かべながら一言。
果たして大槻班長は小田切の策略を止めることはできるのか!?みたいな展開が2巻から始まります。
『一日外出録ハンチョウ』は言ってしまうとおすすめギャンブル漫画としても有名な『カイジシリーズ』のスピンオフ漫画。主人公はチンコロ勝負でカイジも苦しめられた、あの大槻班長。張り付いたような笑顔が印象的な小太りのハゲと言えば思い出す読者も多いか。
一日外出録のあらすじストーリー
先程書いたように主人公は大槻班長。じゃあ地下の強制労働施設でストーリーが展開するのかと言えばNO。
『賭博破戒録カイジ』のあらすじを思い出してもらうといいんですが、「一日外出券」なる素晴らしいアイテムが存在しました。その名の通り、一日だけ外出するための権利。この権利を行使してカイジたちは例の「沼」と呼ばれるパチンコ台で大勝負した記憶は今でも鮮明に残っています。
ただ大槻班長が外界に開放されて何をするのかと言えば、もちろん借金返済のために動くなんて惨めなことはしません。一体何を楽しみに外界に出るのかと言えば、食(グルメ)。だから『一日外出録ハンチョウ』のあらすじを簡単にまとめるなら、大槻班長が外で様々な食べ歩きを始めるみたいな内容になります。

(一日外出録ハンチョウ 1巻)
例えば沼川と一緒に外出した時には、24時間というタイムリミットに焦る沼川に対して、ヤングマガジンを差し出して「落ち着け」と余裕しゃくしゃくの大槻班長。果たして、こんなハンチョウが好むグルメとは一体何なのか?
ちなみにこの後、日が暮れるまでマンガ談義に花を咲かせる二人。さすがに時間のムダ使いしすぎやろ(笑)
大槻班長の様々な一面が垣間見える
この『一日外出録ハンチョウ』では主人公・大槻班長の様々な一面が垣間見えます。たかだかストーリーは一話一日話分程度しかないものの、これが実に多彩に展開する。

(一日外出録ハンチョウ 1巻)
例えば錦糸町の公園で開放された回では、大槻班長はこの周辺の大学に通っていたことが発覚。つまり大槻班長は地味に高学歴だったらしい。
今でこそ姑息なギャンブラーまがいのことで私腹を肥やしてますが、当時は歌手を夢見たこともあったどこにでもいる若者だったらしい。確かに頭の回転が遅かったらリーダーを張れない上、あんなことで暴利を貪れません。
ここでは貧乏学生だった当時の懐かしい記憶が思い出される。最初は安牌の叙々苑に食事に行こうかと考えていたものの、大刻屋という中華料理屋に向かう。そこの大将はぶっきらぼうなものの、学生たちには格安でカニチャーハン特盛りをこっそりと提供してくれていた。大槻班長はそこの圧倒的常連だった。
そして25年ぶりに再会した二人は…という、ちょっとしんみりしつつも笑えるオチが待ってる。

(一日外出録ハンチョウ 1巻)
他にも沼川と一緒に外出した時には、夏祭りに遭遇。地下労働施設には当然こんな華やかなイベントは行われないので、思わず童心に帰って豪遊しまくる二人。ただ大槻班長は祭り実行委員会本部に何故か差し入れ。
あれ?大槻班長にも優しい一面があるらしい。いくら外出できたとはいえお金には限りがあるため、沼川は当惑。まさか地下労働施設で改心したのかと思いきや、NO。大槻班長には思惑があった。
敢えて善意を装って祭り実行本部に差し入れすることで、既にお酒でできあがって気持ち良くなっている運営メンバーたちから「一杯飲みませんか?」という言葉を引き出す。つまり自分たちが差し入れした食事も結果的に食べられるだけではなく、無料でお酒(飲み仲間たち)もゲットした。

(一日外出録ハンチョウ 1巻)
まさに「朝まで飲み放題」というハンチョウイリュージョン。なんという策士。なんというコミュ力。損して得取れとはこのこと。ちょいちょい画像の様に大槻班長のお茶目なデフォルメシーンが描写されます。
でもやっぱり大槻班長は嫌なヤツwww
だから良いヤツっぷりをちょいちょい発揮するものの、やっぱり大槻班長の底意地の悪さも垣間見えます。それがこの『一日外出録ハンチョウ』1巻の一話目。

(一日外出録ハンチョウ 1巻)
日比谷公園で開放された大槻班長は、何故かスーツ姿をびしっと決めこむ。黒服たちも「どうせまた地下に戻るのに意味不明」と当惑気味。じゃあこのままもしかすると就職活動でも行うのかと言えば、もちろんNO。

(一日外出録ハンチョウ 1巻)
スーツを着込んだ大槻班長は何故か立ち食いそば屋に入店。しかも食べログの評価が3.2というTHE平凡なお店。黒服たちも「サラリーマン御用達の普通の店です」と驚愕気味。しかし昨今の食べログ至上主義みたいなもんはなんなんだ。週刊文春でも「うどんが主食」とかいうユーザーがディスられていましたが。
ただ大槻班長の狙いはまさにそこにあった。

(一日外出録ハンチョウ 1巻)
立ち食いそば屋にも関わらず、テーブル席に座った大槻班長は生ビールを頼んで豪快に飲み干してみせる。しかも立て続けに大ジョッキを頼んで、真っ昼間からお酒を浴びるように飲む。まさに重役さんたちの如し。そう、まさに大槻班長の狙いはそこ。
普通のサラリーマンは昼間から酒を飲むなど言語道断。外回りの営業マンの口からアルコールの匂いが漂ってきたら、圧倒的即断拒否されるに違いない。黒服たちも同様に歯ぎしり。ここで特にビシっと着用したスーツが生きてくる。何故なら大槻班長が汚い私服姿であれば、ここまでサラリーマンたちはもんどり打たないはずだから。

(一日外出録ハンチョウ 1巻)
つまり大槻班長はスーツを着こなすだけで、王が鎮座する「玉座の間」を立ち食いそば屋において即席で作ってしまったのだ。まさに悪魔的嫌がらせwww
ただ大槻班長、こんな地味な嫌がらせしてる暇があれば、さっさと地下の強制労働施設から脱出して会社でも興せばいいのに、と思ったのは内緒(^_^;)
一日外出録ハンチョウ1巻の感想総括
以上、『一日外出録ハンチョウ』1巻のネタバレ感想でした。『中間管理録トネガワ』が面白いと評判だったから、新しくスピンオフ漫画を発売しました的な軽いノリだったんでしょうが、その割にはかなり内容はクオリティーが高め。
結論から書くなら、『一日外出録ハンチョウ』は面白かった。お暇であれば、「一日外出録ハンチョウ」が面白いかつまらないかの視点で考察したレビュー記事も参考にしてください。東京の地理はいまいち知りませんが、それでもしっかりグルメ漫画的なアプローチから仕上がってるのも見もの。

(一日外出録ハンチョウ 1巻)
1巻のラストでは別のC班班長の小田切が外出時にタブレットをゲット。その後、地下労働施設内で簡易映画館を運営。この小田切の「映画館ではお静かに」というドヤ顔っぷりが痛い笑いを誘う。
どこでも映画やマンガも見れるんだから本当に便利な時代になりましたが、大槻班長からして見たら稼ぎ頭が奪われたカタチ。しかも次に上映するのはあの有名ドラマ『プリズンブレイク』。そこで小田切の外出時に合わせて、大槻班長も外出。そして「どうですか一杯?」と不敵な笑みを浮かべながら一言。
果たして大槻班長は小田切の策略を止めることはできるのか!?みたいな展開が2巻から始まります。