黒鷺死体宅配便| コナン並の驚異の発見率、死者の声が聞こえる男が魂を救う
- 11/16/2013 08:00
『黒鷺死体宅配便』の1巻から18巻までを既刊済みレビュー。ヤングエースで連載中のオカルトマンガ。先月ぐらいに最新18巻が発売。大体の読者がタイトルから受ける印象そのままの内容なので、良くも悪くも読者を裏切らない。
簡単に中身を説明しておくと、「黒鷺死体宅配便」という会社がある。そこは死体を偶然発見したら、その死者の生前の願望を叶えてあげなきゃいけない。どっからお金が貰ってるかという部分はフワッとしてるんですが、とりあえずその死体をアチコチに運んであげる、というのが主な趣旨。設定からして、ちょっとぶっ飛んでる。
(1巻)
その死者の声を聞くというのが、主人公の唐津九郎の役目。何故か死体に触れるだけで、その魂の声が聞こえるという設定。「死者にも気持ちはあるんだ」というモットーのようなもんを持ってる。画像の右のハゲ。そしてジョジョのスタンドのような憑き物・やいちがついていて、こいつが能力を発動するとその死体を生前のように動かすことができる。
(3巻)
例えば、このようにその数に制限がないので大量に蘇ったりする。5巻だと大量の生首がゴロゴロと移動して、ちょっとしたコメディ。他にも4巻だとカッパの死体も動かせるようにするんですが実はそれが宇宙人だったり、
(12巻)
こんな感じで漫才したり、結構ネタ的な要素も目立つ。自分を殺害した元相方やTVプロデューサーの前で「ちょっと…こないだ殺されちゃって…」とか始めだす。
で、魂が体に定着して再び動くようになった後、基本的にどうなるかと言えば大体が復讐。基本的に「誰かに殺されてる」という設定が多いので、どうしてもそういうオチになる。
物語は基本的に一話完結のオムニバスなので、その度に死体と遭遇しなければいけない。だから、名探偵コナンも真っ青の死体遭遇率。むしろそれ以上の確率。屋根裏の天井をめくると、女の死体がブワッと落ちてきたりする。
ただ死体の存在を感知できるダウジングの天才・沼田真古人がいるので、一応名探偵コナンほどの不自然さはないかも。だから、全体的にはグロいので注意。タイトルから受ける印象のままの漫画だと思ってくれても構わない。
そして後半にかけると、東日本大震災などがあったせいか少し政治ネタ原発ネタも増える。南京大虐殺に関するネタがあったり、原発がカルト教団に狙われてメルトダウンしそうになったり、思わずネトウヨくんがファビョりだしそう。特に16巻の非実在青少年ネタは笑っちゃった。
(16巻)
一応見た目は似せてはいませんが、いかにもあくどそうな人相の都知事が登場。こいつがメディア条例と称して、BL本を規制しようとしてる。「障子破りの男」という表現が悪意に満ち満ちてます。明らかに自分の小説で障子にアレを突っ込んだどうのこうのと書いてた、あのお爺ちゃん知事のことですやんと。
しかも更に笑えるのがマツコ・デラックスのようなキャラクターが登場して、この都知事に殺されてしまう。そしてマツコが石h…もとい当時の都知事をボコボコにする。確かあのお爺ちゃんは「同性愛者は気持ち悪いから死ね」みたいなことを言ってたので、最適だと思ったんでしょうか。
ただ何故か川にその死体が捨てられたので水分を大量に含んで、更にメチャクチャぶくぶくに太る。どっちをけなして褒めてるんだか分からないっていう(笑)
ま、こういうのはネタ的には面白いですが、じゃあこの漫画がどうかと言えば、それほどかな。主人公の唐津が実はキャラとして弱い。あまりグイグイ周りを引っ張っていくタイプではない。会社の女社長がいて、これが高慢ちきで性格がキツい。だからそれに尻に敷かれてるかと思いきや、そこまでヘタレでもない。
グラサンのダウジングするサブキャラクターの方が結構目立ったり、主人公として華がない。唐津に憑いてるやいちにも因縁があって敵に狙われたりするんですが、ここらへんもずっとフワッとしたまま。
主人公のキャラクターが強くないと、どのキャラクターの視点で読めばいいか戸惑うので読み進めづらい。また主人公を中心としてストーリーが展開してないってことは、つまりイコール話の軸も無いってこと。色んなキャラクターが出てくると、どうでしても話も脱線しがち。ただその一本の軸があれば、その軸に再び戻ってこれて迷子にならずに済む。
だから、特に主人公のキャラクターは強さは必要だと思うなので、見せ方にもっと工夫が欲しいかも。ストーリーとしても死者の声を直接聞いてしまってるので、基本的にそこからナゾも深まりようがない。オチも復讐オチなので、読後感もそれほど良くもないかなー。
【購入ページ】
◆【ポイント3倍】【送料無料】【中古】【古本】黒鷺死体宅配便 全巻セット -全巻...
(http://www.amazon.co.jp/gp/product/4047135275
)
〈このマンガの個人的採点〉
◯展開力-★★★☆☆
◯テンポ-★★☆☆☆
◯キャラ-★★★☆☆
◯作画力-★★★☆☆
◯点数-64点!!
簡単に中身を説明しておくと、「黒鷺死体宅配便」という会社がある。そこは死体を偶然発見したら、その死者の生前の願望を叶えてあげなきゃいけない。どっからお金が貰ってるかという部分はフワッとしてるんですが、とりあえずその死体をアチコチに運んであげる、というのが主な趣旨。設定からして、ちょっとぶっ飛んでる。

その死者の声を聞くというのが、主人公の唐津九郎の役目。何故か死体に触れるだけで、その魂の声が聞こえるという設定。「死者にも気持ちはあるんだ」というモットーのようなもんを持ってる。画像の右のハゲ。そしてジョジョのスタンドのような憑き物・やいちがついていて、こいつが能力を発動するとその死体を生前のように動かすことができる。

例えば、このようにその数に制限がないので大量に蘇ったりする。5巻だと大量の生首がゴロゴロと移動して、ちょっとしたコメディ。他にも4巻だとカッパの死体も動かせるようにするんですが実はそれが宇宙人だったり、

こんな感じで漫才したり、結構ネタ的な要素も目立つ。自分を殺害した元相方やTVプロデューサーの前で「ちょっと…こないだ殺されちゃって…」とか始めだす。
で、魂が体に定着して再び動くようになった後、基本的にどうなるかと言えば大体が復讐。基本的に「誰かに殺されてる」という設定が多いので、どうしてもそういうオチになる。
物語は基本的に一話完結のオムニバスなので、その度に死体と遭遇しなければいけない。だから、名探偵コナンも真っ青の死体遭遇率。むしろそれ以上の確率。屋根裏の天井をめくると、女の死体がブワッと落ちてきたりする。
ただ死体の存在を感知できるダウジングの天才・沼田真古人がいるので、一応名探偵コナンほどの不自然さはないかも。だから、全体的にはグロいので注意。タイトルから受ける印象のままの漫画だと思ってくれても構わない。
そして後半にかけると、東日本大震災などがあったせいか少し政治ネタ原発ネタも増える。南京大虐殺に関するネタがあったり、原発がカルト教団に狙われてメルトダウンしそうになったり、思わずネトウヨくんがファビョりだしそう。特に16巻の非実在青少年ネタは笑っちゃった。

一応見た目は似せてはいませんが、いかにもあくどそうな人相の都知事が登場。こいつがメディア条例と称して、BL本を規制しようとしてる。「障子破りの男」という表現が悪意に満ち満ちてます。明らかに自分の小説で障子にアレを突っ込んだどうのこうのと書いてた、あのお爺ちゃん知事のことですやんと。
しかも更に笑えるのがマツコ・デラックスのようなキャラクターが登場して、この都知事に殺されてしまう。そしてマツコが石h…もとい当時の都知事をボコボコにする。確かあのお爺ちゃんは「同性愛者は気持ち悪いから死ね」みたいなことを言ってたので、最適だと思ったんでしょうか。
ただ何故か川にその死体が捨てられたので水分を大量に含んで、更にメチャクチャぶくぶくに太る。どっちをけなして褒めてるんだか分からないっていう(笑)
ま、こういうのはネタ的には面白いですが、じゃあこの漫画がどうかと言えば、それほどかな。主人公の唐津が実はキャラとして弱い。あまりグイグイ周りを引っ張っていくタイプではない。会社の女社長がいて、これが高慢ちきで性格がキツい。だからそれに尻に敷かれてるかと思いきや、そこまでヘタレでもない。
グラサンのダウジングするサブキャラクターの方が結構目立ったり、主人公として華がない。唐津に憑いてるやいちにも因縁があって敵に狙われたりするんですが、ここらへんもずっとフワッとしたまま。
主人公のキャラクターが強くないと、どのキャラクターの視点で読めばいいか戸惑うので読み進めづらい。また主人公を中心としてストーリーが展開してないってことは、つまりイコール話の軸も無いってこと。色んなキャラクターが出てくると、どうでしても話も脱線しがち。ただその一本の軸があれば、その軸に再び戻ってこれて迷子にならずに済む。
だから、特に主人公のキャラクターは強さは必要だと思うなので、見せ方にもっと工夫が欲しいかも。ストーリーとしても死者の声を直接聞いてしまってるので、基本的にそこからナゾも深まりようがない。オチも復讐オチなので、読後感もそれほど良くもないかなー。
【購入ページ】
◆【ポイント3倍】【送料無料】【中古】【古本】黒鷺死体宅配便 全巻セット -全巻...
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〈このマンガの個人的採点〉
◯展開力-★★★☆☆
◯テンポ-★★☆☆☆
◯キャラ-★★★☆☆
◯作画力-★★★☆☆
◯点数-64点!!