JIGORO!浦沢直樹傑作短編集| 猪熊滋悟郎のウソっぽすぎるホンマな武勇伝?
- 01/28/2014 20:20
『JIGORO!-浦沢直樹傑作短編集-』のネタバレ感想。いわゆるYAWARA!のスピンオフ作品。主人公・猪熊柔の祖父である猪熊滋悟郎がメインの一話完結の読み切りを集めた作品。ちなみに20年以上前の作品。作者は浦沢直樹。
何故、このマンガをレビューしようと思ったかというと、その猪熊滋悟郎の声優だった永井一郎が亡くなったから。なかなかそういうタイミングでも起きない限り、レビューする意欲が湧かないので(と言ったらやや不謹慎ですが)なんとなく記事化。
このJIGORO!は猪熊滋悟郎のスピンオフ作品ですが、タイムリーな現代のストーリーではない。
いつの時代の猪熊滋悟郎かと言うと、21歳頃。ほぼ変化なし(笑)
ちょうど年代にすると昭和10年ごろ。つまり1935年ごろの戦争真っ只中の話。だから猪熊滋悟郎が強制的に徴兵されて、戦地に赴くこともある。
アメリカ兵に対しては「アメちゃん」とふざけた呼び方。なんかちょっと美味しそうやな、おい。そして、この後で屈強な米兵隊長とやりあったりする。相撲というかレスリングというか柔道というか。それでも負けない猪熊滋悟郎の強さったらない。
そういえば、最近は東京都知事選挙真っ只中。東京オリンピックもひとつの争点だとか。ただ2020年で二度目の開催だと思われがちですが、実は違う。戦中にも東京オリンピックの開催が決まったものの、戦争でお流れになった。
だから、それに浮かれる猪熊滋悟郎の描写もあったりする。ただ反戦など愛国など、そういうメッセージ性が特にあるわけではない。
猪熊柔の祖父だけあって、当時からめちゃくちゃ強かった。自分より身体が大きい相手をぶん投げまくり。こういう柔道描写も多々あり。
ストーリーは回想のカタチで、戦前戦中の『武勇伝』が主に語られる。他にも祖母との馴れ初め話など、戦中の話だからといってシリアスさはなく、終始ギャグテイスト。たまに横綱を指導してやったみたいな、最近の話もある。
ただオチはほぼ全部ウソ。居酒屋で呑んだくれのオッサンが武勇伝を語るけど、「明らかにそれウソやん?」と言ってしまうような展開。でも猪熊滋悟郎だからリアルっぽく聞こえるだけで、基本的にそんな範疇の話。だから笑えるっちゃ笑えるノリ。
声優・永井一郎の死去のニュースを見ると、サザエさんの波平ばかりがクローズアップされがちだったので、それに対する反論と手向けの意味も込めて記事化。波平は典型的なガンコ親父で、茶目っ気がどうしてもない。
でも猪熊滋悟郎は同じくガンコ親父ではあるが、茶目っ気はたっぷり。それら真反対の要素が混在してるキャラクターなので、だから役柄としては実は難しい。今で言うと、名探偵コナンの毛利小五郎のような役で、それをこなせる声優さんはいそうでいない。
だから永井一郎の醍醐味が最大限発揮したキャラクターこそ、この『猪熊滋悟郎』ではないかと個人的に思う。
ちなみに猪熊滋悟郎以外の読み切りも載ってる。侍さんのお話や青春群像的な野球少年たちのストーリーなど。中古だと100円もしないので、一度読んでみてもいいかもネ(・ω<)
◯80点!!!!
◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★3.5
何故、このマンガをレビューしようと思ったかというと、その猪熊滋悟郎の声優だった永井一郎が亡くなったから。なかなかそういうタイミングでも起きない限り、レビューする意欲が湧かないので(と言ったらやや不謹慎ですが)なんとなく記事化。
猪熊滋悟郎が生きた戦前とは?
このJIGORO!は猪熊滋悟郎のスピンオフ作品ですが、タイムリーな現代のストーリーではない。

いつの時代の猪熊滋悟郎かと言うと、21歳頃。ほぼ変化なし(笑)
ちょうど年代にすると昭和10年ごろ。つまり1935年ごろの戦争真っ只中の話。だから猪熊滋悟郎が強制的に徴兵されて、戦地に赴くこともある。

アメリカ兵に対しては「アメちゃん」とふざけた呼び方。なんかちょっと美味しそうやな、おい。そして、この後で屈強な米兵隊長とやりあったりする。相撲というかレスリングというか柔道というか。それでも負けない猪熊滋悟郎の強さったらない。
そういえば、最近は東京都知事選挙真っ只中。東京オリンピックもひとつの争点だとか。ただ2020年で二度目の開催だと思われがちですが、実は違う。戦中にも東京オリンピックの開催が決まったものの、戦争でお流れになった。

だから、それに浮かれる猪熊滋悟郎の描写もあったりする。ただ反戦など愛国など、そういうメッセージ性が特にあるわけではない。

猪熊柔の祖父だけあって、当時からめちゃくちゃ強かった。自分より身体が大きい相手をぶん投げまくり。こういう柔道描写も多々あり。
オチはほぼウソ?
ストーリーは回想のカタチで、戦前戦中の『武勇伝』が主に語られる。他にも祖母との馴れ初め話など、戦中の話だからといってシリアスさはなく、終始ギャグテイスト。たまに横綱を指導してやったみたいな、最近の話もある。
ただオチはほぼ全部ウソ。居酒屋で呑んだくれのオッサンが武勇伝を語るけど、「明らかにそれウソやん?」と言ってしまうような展開。でも猪熊滋悟郎だからリアルっぽく聞こえるだけで、基本的にそんな範疇の話。だから笑えるっちゃ笑えるノリ。
JIGOROの総合評価
声優・永井一郎の死去のニュースを見ると、サザエさんの波平ばかりがクローズアップされがちだったので、それに対する反論と手向けの意味も込めて記事化。波平は典型的なガンコ親父で、茶目っ気がどうしてもない。
でも猪熊滋悟郎は同じくガンコ親父ではあるが、茶目っ気はたっぷり。それら真反対の要素が混在してるキャラクターなので、だから役柄としては実は難しい。今で言うと、名探偵コナンの毛利小五郎のような役で、それをこなせる声優さんはいそうでいない。
だから永井一郎の醍醐味が最大限発揮したキャラクターこそ、この『猪熊滋悟郎』ではないかと個人的に思う。
ちなみに猪熊滋悟郎以外の読み切りも載ってる。侍さんのお話や青春群像的な野球少年たちのストーリーなど。中古だと100円もしないので、一度読んでみてもいいかもネ(・ω<)
◯80点!!!!
◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★3.5