天才・あらゐけいいちが、ギャグマンガを描いたらこうなった-『日常(1)』
- 02/02/2014 02:02
日常1巻の既刊レビュー。月刊少年エースで連載されてるギャグマンガ。
天才ギャグマンガ家とチヤホヤされてるマンガ家は結構いる。うすた京介など、もろもろ。でも、あまりこのマンガの作者である『あらゐけいいち』の名前はあまり出てこない不思議。個人的には、うすた京介より安定して面白い。「センスの固まり」のような人。
NHKでアニメ化
も既にされてて、これが更に面白かった。世界観を見事に表現できてた。自分はこれを見て一気にファンになった。NHKの会長がポンスケのアホでも思わず許してしまうレベル。
ちなみに最新9巻
がいつの間にか年末に出てた。全然気付かなかった。
世界観が結構意味不明。一応ジャンルは日常系の学園マンガ的。だから学校が舞台になることも多く、メインのキャラクターも多くは女子高生。
ただその中に、何故か東雲なのというロボットがいる。しかも片っ方の腕にチクワ。これを作ったのが「はかせ」と呼ばれる幼女。だからイタズラしまくり。それも面白い。
まさか自分の体にチクワが入ってると思わなかった東雲なのは、愕然。このなんでもない数コマが、このマンガの「ポイント(妙)」。すぐに怒るわけでもなく、すぐにツッコむわけでもなく、あはは~みたいな反応がなんか面白い。
一緒にみんなと昼食を食べてると、口の中からネジが出てくることも。たださすがロボット。動きが早い。思わず「バレてへんやろー」とドヤ顔で周りを見渡すと…
バッチリ映像で収録されてるっていう。まさに、これ以上のないトドメ。奇想天外だけど、ちょうど理解できそうな範疇のボケで面白い。
何故か、校庭に凶暴な鹿が現れて、格闘する校長先生。これも設定がなかなかぶっ飛んでる。ましてやバックドロップ。でもツボにハマる部分は次。
何故か、後ろの部分のカツラがペロってめくれる。思わず「そこかーい!」みたいなツッコミも入れたくなるんですが、ただめくれるまでの『間(ま)』がツボにハマる。
同じコマが何コマか続いた後に、さり気なくめくれる感じが面白い。
実際のお笑い芸人でもそうだと思うけど、こういう「間」を作るのって難しい。ちょっと早くツッコむと面白くないが、ちょっとズラして遅れてツッコむと面白いみたいな。その微妙なさじ加減は、具体的に指示を出せば出来るってもんじゃない。本当に感覚的なもん。
だからギャグマンガは改めて「センス」だなーと。
相生祐子という主人公の一人が学校の昼食時間、タコさんウインナーを思わず落としてしまう。その時の超サイヤ人風の描写も笑える。
ただそこからの展開が何故かやたらダイナミック。タコさんウインナーを巡ってハリウッド映画ばりのアクションが繰り広げられて、ムダに見せる。水上麻衣というクール系の友達がキャッチャーミットでキャッチしたり、何気に作者の画力も高い。
最終的にてんやわんやがあって床に落ちるも、3秒ルールだから問題ない風に相生はアホだから喜ぶ。思わず「セーフ」と喜びの表情。ただ親友の長野原みおが「アウトだよー!」とツッコミ。このシンプルさも笑える。作者はセンスがあるくせに、ちょいちょい王道に攻めてくるのが憎い。
最近「ギャグマンガで面白いのが見当たらないなー」と思ってる方は、是非読んで欲しい。カオスっぷりがハンパないくせに、しっかり読める。意味不明なカオスなギャグマンガは多いけど、これは何故か理路整然。だからすんなり読めてしまう不思議な漫画。あらゐけいいちの才能に奮える。
ただ惜しむらくは、この漫画の面白い雰囲気が「コマを何枚か貼っただけ」では伝わらないところ。間(ま)のクダリとか、自分が言いたいことが伝わってるのかなとやや疑問。だから、センスある漫画をレビューするのは大変。「なんか良い」としか表現しようがない。
あとキャラクターが少ないのもGood。テンポ良く読みやすい。新キャラが出てくると、どうしても「コイツ?誰?」と理解しようとムダなエネルギーを消費してしまう。その分だけテンポも悪くなる。少ないキャラで話を作れるってことは、作者の実力の高さも物語ってる。

◆Amazon.co.jp:日常 (カドカワコミックス・エース)
◯90点!!!!
◯展開★4.5◯テンポ★5
◯キャラ★4.5◯画力★4
天才ギャグマンガ家とチヤホヤされてるマンガ家は結構いる。うすた京介など、もろもろ。でも、あまりこのマンガの作者である『あらゐけいいち』の名前はあまり出てこない不思議。個人的には、うすた京介より安定して面白い。「センスの固まり」のような人。
NHKでアニメ化
ちなみに最新9巻
ぶっ飛び設定
世界観が結構意味不明。一応ジャンルは日常系の学園マンガ的。だから学校が舞台になることも多く、メインのキャラクターも多くは女子高生。

ただその中に、何故か東雲なのというロボットがいる。しかも片っ方の腕にチクワ。これを作ったのが「はかせ」と呼ばれる幼女。だからイタズラしまくり。それも面白い。

まさか自分の体にチクワが入ってると思わなかった東雲なのは、愕然。このなんでもない数コマが、このマンガの「ポイント(妙)」。すぐに怒るわけでもなく、すぐにツッコむわけでもなく、あはは~みたいな反応がなんか面白い。

一緒にみんなと昼食を食べてると、口の中からネジが出てくることも。たださすがロボット。動きが早い。思わず「バレてへんやろー」とドヤ顔で周りを見渡すと…

バッチリ映像で収録されてるっていう。まさに、これ以上のないトドメ。奇想天外だけど、ちょうど理解できそうな範疇のボケで面白い。
絶妙な間(ま)

何故か、校庭に凶暴な鹿が現れて、格闘する校長先生。これも設定がなかなかぶっ飛んでる。ましてやバックドロップ。でもツボにハマる部分は次。

何故か、後ろの部分のカツラがペロってめくれる。思わず「そこかーい!」みたいなツッコミも入れたくなるんですが、ただめくれるまでの『間(ま)』がツボにハマる。
同じコマが何コマか続いた後に、さり気なくめくれる感じが面白い。
実際のお笑い芸人でもそうだと思うけど、こういう「間」を作るのって難しい。ちょっと早くツッコむと面白くないが、ちょっとズラして遅れてツッコむと面白いみたいな。その微妙なさじ加減は、具体的に指示を出せば出来るってもんじゃない。本当に感覚的なもん。
だからギャグマンガは改めて「センス」だなーと。
やたらダイナミックすぎる映像的描写

相生祐子という主人公の一人が学校の昼食時間、タコさんウインナーを思わず落としてしまう。その時の超サイヤ人風の描写も笑える。

ただそこからの展開が何故かやたらダイナミック。タコさんウインナーを巡ってハリウッド映画ばりのアクションが繰り広げられて、ムダに見せる。水上麻衣というクール系の友達がキャッチャーミットでキャッチしたり、何気に作者の画力も高い。
最終的にてんやわんやがあって床に落ちるも、3秒ルールだから問題ない風に相生はアホだから喜ぶ。思わず「セーフ」と喜びの表情。ただ親友の長野原みおが「アウトだよー!」とツッコミ。このシンプルさも笑える。作者はセンスがあるくせに、ちょいちょい王道に攻めてくるのが憎い。
日常の総合評価
最近「ギャグマンガで面白いのが見当たらないなー」と思ってる方は、是非読んで欲しい。カオスっぷりがハンパないくせに、しっかり読める。意味不明なカオスなギャグマンガは多いけど、これは何故か理路整然。だからすんなり読めてしまう不思議な漫画。あらゐけいいちの才能に奮える。
ただ惜しむらくは、この漫画の面白い雰囲気が「コマを何枚か貼っただけ」では伝わらないところ。間(ま)のクダリとか、自分が言いたいことが伝わってるのかなとやや疑問。だから、センスある漫画をレビューするのは大変。「なんか良い」としか表現しようがない。
あとキャラクターが少ないのもGood。テンポ良く読みやすい。新キャラが出てくると、どうしても「コイツ?誰?」と理解しようとムダなエネルギーを消費してしまう。その分だけテンポも悪くなる。少ないキャラで話を作れるってことは、作者の実力の高さも物語ってる。

◆Amazon.co.jp:日常 (カドカワコミックス・エース)
◯90点!!!!
◯展開★4.5◯テンポ★5
◯キャラ★4.5◯画力★4