進撃の巨人 13巻 限定版 ネタバレ感想| 最大の敵は壁内に?王政打倒に動くエレンたち
- 04/17/2014 06:06
『進撃の巨人 13巻』のネタバレ感想。別冊少年マガジン(講談社)で連載中のバトル漫画。いつの間にか、発行累計部数が3600万部を突破。今一番勢いのあるマンガと表現してもよさそう。過去巻のレビューは、下の方にある関連記事でもチェックしてみてください。
前巻までは、上記の超大型巨人(ベルトルト)と鎧の巨人(ライナー)に襲われるものの、無事逃亡できた続き。
ただ無事逃亡できたと言っても、ユミルだけはベルトルトやライナー側に付いて、ヒストリアを置いていった。
その事実にショックを受けるヒストリア。ちなみにこのコマは描き下ろし。
正直見覚えのあるコマではなかったので、雑誌を確認。ユミルのことでうろたえる、ここらへんのヒストリアのクダリが4ページほど加筆されてました。
そしてしばらくして、ヒストリアが自分の過去を語りだす。貴族・レイス家の領地内の牧場で育ったヒストリア。ただ誰ともろくに話すことはなく、実質天涯孤独の身。母が最初にかけてくれた言葉が「こいつを殺す勇気が私にあれば…」。
そんな生活が続いた時、ある日、ロッド・レイスと名乗る父が現れる。一緒に暮らそうと持ちかけられるも、憲兵団と思しき武装集団に囲まれ、母親が殺害される。「レイス卿、このようなマネはご容赦いただきたい。ウォール・マリアが破られたことで不安に襲われましたか?」。
ただヒストリアだけはロッド・レイスの提案により、開拓地へ飛ばされ、名前も変えた生活を送る。そして12歳に訓練兵に入団し、今に至る。
一方、リヴァイとハンジとエルヴィンたち。
ハンジは今回襲撃してきた巨人は、コニーの村・ラガコ村の住民たちである可能性が高いことを報告(9巻ぐらいを参照)。ほぼ確信を持って言えることが、巨人の総数とラガコ村の住民数がピッタリ同じだったから。
やはり巨人は、元人間だった。
ただ同時に「巨人相手に実験」してたイヤな過去を思い出すハンジ。
しかし、エルヴィンだけは不敵な笑みを浮かべる。思わずリヴァイも「え?何やねんコイツ…きもっ」という表情。
別冊少年マガジンのレビューでも書いた記憶があるけど、エルヴィンだけは心底「正義のカタマリ」だと思ってたんですが、地味にショック。この不敵な笑みの布石は、どういう風に転がっていくのか、知りたいようで知りたくない。
ストーリーは、リヴァイたちがかくまっていたニック司祭が暗殺されたことで大きく動く。ニックを殺したのは、中央の第一憲兵団。トロスト区のような端っこに来るはずがない。明らかに、壁の中の秘密を握るニック司祭の口から、その重大な秘密を漏れることを防ぐ意図が明らかだった。
そして、エルヴィンたちは王政打倒に動く。もはや壁の外だけではなく、壁の中に自分たちの足を引っ張る敵がいる。
まずリヴァイとハンジは、リーヴス商会というトロスト区を牛耳っていた民間組織と結託。そして憲兵団を拉致。「拷問がはっじまるよー」的なところで次巻。
ただエレンだけは、巨人のことはどうでもいいらしい。西野カナばりに恋愛に夢中。許すまじ(もちろん例のウソ予告)。
この13巻で新たな布石が出てくるんですが、
それがエレンの記憶の奥底に眠っていた「ナゾの女性」。これがふと蘇る。
ただこの「ナゾの女性」は、昔ヒストリアとも交流があった人物。一体どういう立ち位置の人間なのか。
でもエレンの記憶の描写が「自分が鏡を見てる」映像。つまりこの女性自身がエレンという可能性も?
ちなみに限定版を購入すると、オリジナルDVDアニメが付いてくる。良い意味で、これが結構フザケてる。
主役はジャン。初っ端から、思春期の中学生ばりの「ババア!勝手に部屋に入ってきてんじゃねー!」と激怒。何巻か忘れましたが、こんなウソ予告がありました。とりあえず、こんな閉鎖的なところは早く出てってやる的な勢いで、訓練兵になる。こんな気持ちで巨人倒しをしてたのかと思うと、やや感慨深いものが(`;ω;´)ホロリ
そして、調査兵団に入って凱旋するジャン。そこで何故か、ピクシス司令官に料理を食べてもらって、食いしん坊のサシャとどっちが勝つかという勝負をする。この時点で結構セルフパロディが効いてるんですが、その後のピクシス司令官の『悪ノリ』がえげつない。
料理を食い終わったと思ったら、途端に辺り一面が地鳴りで揺れ出す。何が起きるんや!?と思ってたら、
ピクシス司令官がいきなり食べてたテーブルからロケットのように上空へ発射。
そして次々と何故か巨人たちをブッ倒していく。この時のアクション描写がムダにカッコ良すぎ。思わず「ピクシスつえー」とニヤけました。
…とニヤけた直後、今度は自分が巨人化。こともあろうに、ミカサたちを襲ってくる。ヤバいやんと思ってたら、今度はミカサたちも巨人化。ミカサはガチムチすぎるし、アルミンは弱弱すぎやし、ここも悪ノリがスゴい。みんな個性的で笑える。
最終的に、あまりの「旨さ」にピクシス司令官は宇宙まで飛んじゃう。トータルする「お前は現代の『味皇』か!!」とツッコんでしまった。よー声優の人も笑わんかったなと賞賛を送りたいレベル。とにかく19分目ぐらいから活目です(笑)
この13巻では、巨人の登場シーンはゼロ。いや次の14巻でも、ほとんど出てきません。だから、前巻までにあった壮絶なアクションシーンも限りなくゼロ。
ただそれでもストーリーの展開だけで読ませてくれる。正直巨人が登場しなくなって、ドカドカとバトリし合わなくなったら面白くなるんかもと心配してたんですが、これがいやはや『杞憂』というやつ。作者・諫山創の実力の高さが伺える。
あと限定版にのみ付いてくるアニメもクオリティーが高い。ボリュームが30分近くあるんですが、手抜き感が一切なし。価格は3000円ちょっとと高めですが、そこまで出す価値はあります。正直「限定版」って名前倒れのことも多いが、このレベルであれば他のマンガも追随してほしいとすら思える。採点は80点台ですが、このDVDを敢えて含めたら余裕で90点は超える。果たして、この13巻の初版は何百万部になるんでしょうか。はてさて。
ちなみに「諫山創「進撃の巨人」ってそこまで面白いか?」という考察記事は別ブログ「バズマン」の方でレビュー済み。わりかし長文でキレイな画像もいっぱい貼ってるので、良かったらそちらも是非チェックしてみてください。

前巻までは、上記の超大型巨人(ベルトルト)と鎧の巨人(ライナー)に襲われるものの、無事逃亡できた続き。
ヒストリア(クリスタ)の過去
ただ無事逃亡できたと言っても、ユミルだけはベルトルトやライナー側に付いて、ヒストリアを置いていった。

その事実にショックを受けるヒストリア。ちなみにこのコマは描き下ろし。
正直見覚えのあるコマではなかったので、雑誌を確認。ユミルのことでうろたえる、ここらへんのヒストリアのクダリが4ページほど加筆されてました。
そしてしばらくして、ヒストリアが自分の過去を語りだす。貴族・レイス家の領地内の牧場で育ったヒストリア。ただ誰ともろくに話すことはなく、実質天涯孤独の身。母が最初にかけてくれた言葉が「こいつを殺す勇気が私にあれば…」。
そんな生活が続いた時、ある日、ロッド・レイスと名乗る父が現れる。一緒に暮らそうと持ちかけられるも、憲兵団と思しき武装集団に囲まれ、母親が殺害される。「レイス卿、このようなマネはご容赦いただきたい。ウォール・マリアが破られたことで不安に襲われましたか?」。
ただヒストリアだけはロッド・レイスの提案により、開拓地へ飛ばされ、名前も変えた生活を送る。そして12歳に訓練兵に入団し、今に至る。
巨人は、元人間
一方、リヴァイとハンジとエルヴィンたち。
ハンジは今回襲撃してきた巨人は、コニーの村・ラガコ村の住民たちである可能性が高いことを報告(9巻ぐらいを参照)。ほぼ確信を持って言えることが、巨人の総数とラガコ村の住民数がピッタリ同じだったから。

やはり巨人は、元人間だった。

ただ同時に「巨人相手に実験」してたイヤな過去を思い出すハンジ。

しかし、エルヴィンだけは不敵な笑みを浮かべる。思わずリヴァイも「え?何やねんコイツ…きもっ」という表情。
別冊少年マガジンのレビューでも書いた記憶があるけど、エルヴィンだけは心底「正義のカタマリ」だと思ってたんですが、地味にショック。この不敵な笑みの布石は、どういう風に転がっていくのか、知りたいようで知りたくない。
王政を打倒セヨ
ストーリーは、リヴァイたちがかくまっていたニック司祭が暗殺されたことで大きく動く。ニックを殺したのは、中央の第一憲兵団。トロスト区のような端っこに来るはずがない。明らかに、壁の中の秘密を握るニック司祭の口から、その重大な秘密を漏れることを防ぐ意図が明らかだった。

そして、エルヴィンたちは王政打倒に動く。もはや壁の外だけではなく、壁の中に自分たちの足を引っ張る敵がいる。
まずリヴァイとハンジは、リーヴス商会というトロスト区を牛耳っていた民間組織と結託。そして憲兵団を拉致。「拷問がはっじまるよー」的なところで次巻。

ただエレンだけは、巨人のことはどうでもいいらしい。西野カナばりに恋愛に夢中。許すまじ(もちろん例のウソ予告)。
エレンの記憶にある、ナゾの女性
この13巻で新たな布石が出てくるんですが、

それがエレンの記憶の奥底に眠っていた「ナゾの女性」。これがふと蘇る。

ただこの「ナゾの女性」は、昔ヒストリアとも交流があった人物。一体どういう立ち位置の人間なのか。
でもエレンの記憶の描写が「自分が鏡を見てる」映像。つまりこの女性自身がエレンという可能性も?
悪ノリがすぎるピクシス司令官(限定版)
ちなみに限定版を購入すると、オリジナルDVDアニメが付いてくる。良い意味で、これが結構フザケてる。
主役はジャン。初っ端から、思春期の中学生ばりの「ババア!勝手に部屋に入ってきてんじゃねー!」と激怒。何巻か忘れましたが、こんなウソ予告がありました。とりあえず、こんな閉鎖的なところは早く出てってやる的な勢いで、訓練兵になる。こんな気持ちで巨人倒しをしてたのかと思うと、やや感慨深いものが(`;ω;´)ホロリ
そして、調査兵団に入って凱旋するジャン。そこで何故か、ピクシス司令官に料理を食べてもらって、食いしん坊のサシャとどっちが勝つかという勝負をする。この時点で結構セルフパロディが効いてるんですが、その後のピクシス司令官の『悪ノリ』がえげつない。
料理を食い終わったと思ったら、途端に辺り一面が地鳴りで揺れ出す。何が起きるんや!?と思ってたら、

ピクシス司令官がいきなり食べてたテーブルからロケットのように上空へ発射。
そして次々と何故か巨人たちをブッ倒していく。この時のアクション描写がムダにカッコ良すぎ。思わず「ピクシスつえー」とニヤけました。

…とニヤけた直後、今度は自分が巨人化。こともあろうに、ミカサたちを襲ってくる。ヤバいやんと思ってたら、今度はミカサたちも巨人化。ミカサはガチムチすぎるし、アルミンは弱弱すぎやし、ここも悪ノリがスゴい。みんな個性的で笑える。

最終的に、あまりの「旨さ」にピクシス司令官は宇宙まで飛んじゃう。トータルする「お前は現代の『味皇』か!!」とツッコんでしまった。よー声優の人も笑わんかったなと賞賛を送りたいレベル。とにかく19分目ぐらいから活目です(笑)
進撃の巨人13巻の総合評価
この13巻では、巨人の登場シーンはゼロ。いや次の14巻でも、ほとんど出てきません。だから、前巻までにあった壮絶なアクションシーンも限りなくゼロ。
ただそれでもストーリーの展開だけで読ませてくれる。正直巨人が登場しなくなって、ドカドカとバトリし合わなくなったら面白くなるんかもと心配してたんですが、これがいやはや『杞憂』というやつ。作者・諫山創の実力の高さが伺える。
あと限定版にのみ付いてくるアニメもクオリティーが高い。ボリュームが30分近くあるんですが、手抜き感が一切なし。価格は3000円ちょっとと高めですが、そこまで出す価値はあります。正直「限定版」って名前倒れのことも多いが、このレベルであれば他のマンガも追随してほしいとすら思える。採点は80点台ですが、このDVDを敢えて含めたら余裕で90点は超える。果たして、この13巻の初版は何百万部になるんでしょうか。はてさて。
ちなみに「諫山創「進撃の巨人」ってそこまで面白いか?」という考察記事は別ブログ「バズマン」の方でレビュー済み。わりかし長文でキレイな画像もいっぱい貼ってるので、良かったらそちらも是非チェックしてみてください。