たいようのいえ ネタバレ感想| 一つ屋根の下で生まれる禁断の恋
- 06/30/2014 08:00
『たいようのいえ』の1巻から10巻までをレビュー。デザートという少女雑誌で連載中の恋愛マンガ。
つい先日、第38回講談社漫画賞の少女部門を受賞。最新11巻も7月11日に発売されるので記事化。
本宮真魚(もとみや マオ)は高校二年生。ずっと父子家庭で育つも、その父親は真魚のことが嫌いだった。そしてある日、父親は別の女性と再婚。義妹も生まれるも、お互いの距離が縮まることはなかった。
そこで幼い頃から、自分を可愛がってくれた中村基(なかむら ヒロ)の家で同居させてもらうことになる。年齢は7歳ぐらい上の社会人。だから設定的に、ちょうど高校生ぐらいの女の子が憧れそうな理想的な男性像って感じか。
ヒロが孤独を感じる真魚を支えながら、徐々にお互いが惹かれ合っていく流れ。一つ屋根の下に女子高生が住んでたら、正直いろいろ我慢できる自信がない(*´Д`)ハァハァ
恋愛マンガということで、キュンキュン描写をざっくりペタペタ。
(2巻)
風邪で寝こむ真魚のおデコに、ヒロがソっと手を差しやる。思わず恥ずかしさと嬉しさで、ギュッと目をつぶってしまう真魚。ウブな女の子らしい感じが表現できてる。
(3巻)
一方、ヒロが精神的に参った時は、真魚から手を差し伸べる。思わず「母性本能」がくすぐられる感じか。
(5巻)
ヒロが寝込んでる時に、愛しすぎてメチャメチャにしたい感情を抑える真魚。「大好き」という真魚の感情を、微笑ましくもリアルに描けてる印象。
ただキュンキュン描写だけど、何故かちょっと生々しく見える描写も目立つ。
このマンガの背景や設定をもう少し詳しく説明すると、真魚の過去が不遇…というより真魚の父親が可哀想。真魚の母親が不倫をしまくったせいで、「真魚と俺は血が繋がってない?」と思い込んでる。だから、父親はかなり冷たく真魚に接する。
そんな真魚をヒロが頑張って支える。結果「妹と兄」のような関係性が築かれる。だからこそ高校生になった、真魚を家に迎え入れた。一方ヒロはヒロで両親が死んでしまったりで、お互い傷を抱えてる。だからちょっとした共依存のような関係。
真魚とヒロは血が繋がってないんだけど、肉親に近しい関係性。だから一線を超えてもいいんだけど、でもゼッタイ超えちゃいけないラインの絶妙さ。ただ恋愛感情が芽生えて、お互いが惹かれ合っていく。それが「禁断の恋」っぽく写る。
そこでキュンキュン描写の描き方によっては、かなり生々しくなる。
(4巻)
例えば、夏祭りで一つの和菓子を食べる二人。
ガチで「兄と妹」という健全な関係性だったら、むしろここまで出来ない。だから健全な関係性を利用して、敢えてヒロはこんなことをしてる?微妙な行動。また真魚のカマをかけた探り方も、ムダにリアル。
(6巻)
二人でじゃれ合ってると、ヒロが「そんなことされたらムラムラするだろ、ちゃんと考えろ」とお返しのチュー。真魚の目をつぶる演出も、ちょうどいい感じの「強引さ」が描けてる。
この一線を超えそうで超えない、何とも言えない距離感で描かれる「キュンキュン」が、実際に妹がいる自分の目には絶妙に『気持ち悪く』写る。良くも悪くも。
女性目線の妹萌え・兄萌えが、絵柄の軽い可愛らしさとは反して、生々しく描かれてる印象。そういうのが好きな女の子読者だったら、かなり「お腹いっぱい」になるかも知れないマンガ。
またずっと序盤で登場したキャラクターを使って話を回してるので、比較的読みやすいかな。また同時に作者の展開力があるということ。
だから、どちらかと言えば「読む」マンガだと思うので、簡単にキュンキュンさを求めてる読者には少し向いてないかも。
◆Amazon.co.jp:たいようのいえ
◯83点!!!!
◯展開★4◯テンポ★4
◯キャラ★3.5◯画力★3
つい先日、第38回講談社漫画賞の少女部門を受賞。最新11巻も7月11日に発売されるので記事化。
たいようのいえのあらすじ
本宮真魚(もとみや マオ)は高校二年生。ずっと父子家庭で育つも、その父親は真魚のことが嫌いだった。そしてある日、父親は別の女性と再婚。義妹も生まれるも、お互いの距離が縮まることはなかった。
そこで幼い頃から、自分を可愛がってくれた中村基(なかむら ヒロ)の家で同居させてもらうことになる。年齢は7歳ぐらい上の社会人。だから設定的に、ちょうど高校生ぐらいの女の子が憧れそうな理想的な男性像って感じか。
ヒロが孤独を感じる真魚を支えながら、徐々にお互いが惹かれ合っていく流れ。一つ屋根の下に女子高生が住んでたら、正直いろいろ我慢できる自信がない(*´Д`)ハァハァ
キュンキュン
恋愛マンガということで、キュンキュン描写をざっくりペタペタ。

風邪で寝こむ真魚のおデコに、ヒロがソっと手を差しやる。思わず恥ずかしさと嬉しさで、ギュッと目をつぶってしまう真魚。ウブな女の子らしい感じが表現できてる。

一方、ヒロが精神的に参った時は、真魚から手を差し伸べる。思わず「母性本能」がくすぐられる感じか。

ヒロが寝込んでる時に、愛しすぎてメチャメチャにしたい感情を抑える真魚。「大好き」という真魚の感情を、微笑ましくもリアルに描けてる印象。
関係性がリアルで、ドキドキが生々しい
ただキュンキュン描写だけど、何故かちょっと生々しく見える描写も目立つ。
このマンガの背景や設定をもう少し詳しく説明すると、真魚の過去が不遇…というより真魚の父親が可哀想。真魚の母親が不倫をしまくったせいで、「真魚と俺は血が繋がってない?」と思い込んでる。だから、父親はかなり冷たく真魚に接する。
そんな真魚をヒロが頑張って支える。結果「妹と兄」のような関係性が築かれる。だからこそ高校生になった、真魚を家に迎え入れた。一方ヒロはヒロで両親が死んでしまったりで、お互い傷を抱えてる。だからちょっとした共依存のような関係。
真魚とヒロは血が繋がってないんだけど、肉親に近しい関係性。だから一線を超えてもいいんだけど、でもゼッタイ超えちゃいけないラインの絶妙さ。ただ恋愛感情が芽生えて、お互いが惹かれ合っていく。それが「禁断の恋」っぽく写る。
そこでキュンキュン描写の描き方によっては、かなり生々しくなる。

例えば、夏祭りで一つの和菓子を食べる二人。
ガチで「兄と妹」という健全な関係性だったら、むしろここまで出来ない。だから健全な関係性を利用して、敢えてヒロはこんなことをしてる?微妙な行動。また真魚のカマをかけた探り方も、ムダにリアル。

二人でじゃれ合ってると、ヒロが「そんなことされたらムラムラするだろ、ちゃんと考えろ」とお返しのチュー。真魚の目をつぶる演出も、ちょうどいい感じの「強引さ」が描けてる。
この一線を超えそうで超えない、何とも言えない距離感で描かれる「キュンキュン」が、実際に妹がいる自分の目には絶妙に『気持ち悪く』写る。良くも悪くも。
たいようのいえの総評
女性目線の妹萌え・兄萌えが、絵柄の軽い可愛らしさとは反して、生々しく描かれてる印象。そういうのが好きな女の子読者だったら、かなり「お腹いっぱい」になるかも知れないマンガ。
またずっと序盤で登場したキャラクターを使って話を回してるので、比較的読みやすいかな。また同時に作者の展開力があるということ。
だから、どちらかと言えば「読む」マンガだと思うので、簡単にキュンキュンさを求めてる読者には少し向いてないかも。
◆Amazon.co.jp:たいようのいえ
◯83点!!!!
◯展開★4◯テンポ★4
◯キャラ★3.5◯画力★3