賭博堕天録カイジ和也編 全10巻 感想| 偽善者!偽善者!この偽善者がッ!!
- 11/27/2014 08:00
『賭博堕天録カイジ 和也編』全10巻のレビュー。作者は福本伸行。ヤングマガジンで連載してたギャンブル漫画。言わずと知れた、カイジシリーズ。
ちなみに『賭博黙示録カイジ』・『賭博破戒録カイジ』・賭博堕天録カイジのレビューはこちら。順番はシリーズ順。
タイトルにもあるように今度の敵は、兵藤和尊の息子・和也。ただカイジとは戦わず、あくまで勝負を「見てる」だけ。じゃあ誰のか?
(3巻)
中小企業の社長・光山と、東南アジアからやってきた従業員・マリオとチャンの三人が、友情確認ゲーム「救出」という命を賭けたゲームをさせらせる。
その友情確認ゲーム「救出」を簡単に説明すると、まず三人の誰かが「救出者」に選ばれる。そいつが30秒以上1分以内にベルト解除ボタンを押す。
(7巻)
そして目の前にある「人質解放」ボタンを押す必要がある。ただそのボタンを押さずに、その上に置かれた大金をゲットしても構わない。でも「人質解放」ボタンが押されなければ、残りの二人のヘルメットがギューッと締まって、あの世逝き。
この友情確認ゲーム「救出」のミソは、前の二人は後ろの人間の行動が見えない。当然ヘルメットをしてるので、何をしてるのか音も聞こえない。
(5巻)
もし30秒以上経っても全然動きがなかった場合、こんな風に二人が焦りまくってる様子を傍観してるんじゃないか!?という疑心暗鬼に囚われる。だから一人が行動をモタモタしてると、それだけで焦燥感が心をかき乱す。
マリオとチャンは日本に来る前は、極貧生活を味わってた。社長の光山は人柄に優れた人物。その事実も知ってるので、マリオとチャンのことは家族同然のように思ってる。
(5巻)
自分が「救出者」に選ばれた時は涙を流して、「マリオとチャンを死なさずにすんだ!」と大喜び。
(6巻)
ただほんのちょっとしたアクシデントやモタモタした行動一つで、どんどん心が破壊されていく光山社長。
(9巻)
最終的には「目覚めてないのはお前らなんだよ!」と豹変して、マリオとチャンの二人を裏切る。なんだかんだ自分の裏切りを正当化しまくるのが醜すぎる。この涙目好きやわー。
ただ全体的に展開が甘っちょろい。
基本的に「三人の友情パワー」でアクシデントや和也の魔の手を逃れていく。そのハードルを乗り越えるのがあまりに順調で、展開として面白味に欠ける。最終的に光山社長が裏切るものの、むしろ唐突感や違和感すら与えるほど。
(10巻)
最終的に光山社長が裏切ったことで、マリオとチャンが被ってるヘルメットの装置が発動。死の直前まで追い詰められる二人。カイジも思わず「うおおおおおお」。
あまりネタバレしてもダメなんでしょうが、和也が助け舟を出す。「7000万円出せば二人を救ってやる」と交換条件を出す。カイジは「なんでオレが!7000万円も!!」と拒絶反応を示すも…7000万円という額も中途半端だし、和也の「カイジはお金を出すはずがない」という目論見も甘すぎる。なんじゃこりゃあ!じゃねーよ(笑)
まあカイジが戦ってないというのもありますが、ピリピリ感や緊張感はあまりない。これまでのカイジシリーズを期待して読むと失敗する。
『カイジ和也編』は、どうも福本伸行センセー、ぬるいお茶ありがとうございました、って感じの内容。
敵として和也がビミョーすぎる。結構鬼畜な展開に発展するかと期待して読み進めてたら、気付いたら終了してた。最後の最後まで見所や山場やクライマックスはなかった。序盤の和也の小説・串刺しカップルネタがピークか。
大人買い★4には設定してますが、あくまで次の展開を知るため必要ってだけ。次のシリーズではカイジと和也がようやく対決。ワンポーカーというゲームで、マリオとチャンも同席する。純粋に作品を評価するなら、★3点。テンポも悪い意味で★4.5に採点。上滑り気味でサラーっと読めるってだけ。
ちなみに8巻ではカイジシリーズ500回記念として、主にヤンマガ連載陣のお祝いイラストが載ってます。
(8巻)
板垣恵介はカイジシリーズの作画を担当しても案外問題なさそう(笑)
他にもちばてつや、CLAMP、弘兼憲史などそうそうたる御仁方。今は亡き、風間やんわりのイラストも載ってまふ。
◯展開★3.5◯テンポ★4.5
◯キャラ★4◯画力★3
◯大人買い★4
◯82点!!!!
ちなみに『賭博黙示録カイジ』・『賭博破戒録カイジ』・賭博堕天録カイジのレビューはこちら。順番はシリーズ順。
友情確認ゲーム「救出」ってなんぞや?
タイトルにもあるように今度の敵は、兵藤和尊の息子・和也。ただカイジとは戦わず、あくまで勝負を「見てる」だけ。じゃあ誰のか?

中小企業の社長・光山と、東南アジアからやってきた従業員・マリオとチャンの三人が、友情確認ゲーム「救出」という命を賭けたゲームをさせらせる。
その友情確認ゲーム「救出」を簡単に説明すると、まず三人の誰かが「救出者」に選ばれる。そいつが30秒以上1分以内にベルト解除ボタンを押す。

そして目の前にある「人質解放」ボタンを押す必要がある。ただそのボタンを押さずに、その上に置かれた大金をゲットしても構わない。でも「人質解放」ボタンが押されなければ、残りの二人のヘルメットがギューッと締まって、あの世逝き。
この友情確認ゲーム「救出」のミソは、前の二人は後ろの人間の行動が見えない。当然ヘルメットをしてるので、何をしてるのか音も聞こえない。

もし30秒以上経っても全然動きがなかった場合、こんな風に二人が焦りまくってる様子を傍観してるんじゃないか!?という疑心暗鬼に囚われる。だから一人が行動をモタモタしてると、それだけで焦燥感が心をかき乱す。
優しかった光山社長の豹変
マリオとチャンは日本に来る前は、極貧生活を味わってた。社長の光山は人柄に優れた人物。その事実も知ってるので、マリオとチャンのことは家族同然のように思ってる。

自分が「救出者」に選ばれた時は涙を流して、「マリオとチャンを死なさずにすんだ!」と大喜び。

ただほんのちょっとしたアクシデントやモタモタした行動一つで、どんどん心が破壊されていく光山社長。

最終的には「目覚めてないのはお前らなんだよ!」と豹変して、マリオとチャンの二人を裏切る。なんだかんだ自分の裏切りを正当化しまくるのが醜すぎる。この涙目好きやわー。
甘っちょろい展開
ただ全体的に展開が甘っちょろい。
基本的に「三人の友情パワー」でアクシデントや和也の魔の手を逃れていく。そのハードルを乗り越えるのがあまりに順調で、展開として面白味に欠ける。最終的に光山社長が裏切るものの、むしろ唐突感や違和感すら与えるほど。

最終的に光山社長が裏切ったことで、マリオとチャンが被ってるヘルメットの装置が発動。死の直前まで追い詰められる二人。カイジも思わず「うおおおおおお」。
あまりネタバレしてもダメなんでしょうが、和也が助け舟を出す。「7000万円出せば二人を救ってやる」と交換条件を出す。カイジは「なんでオレが!7000万円も!!」と拒絶反応を示すも…7000万円という額も中途半端だし、和也の「カイジはお金を出すはずがない」という目論見も甘すぎる。なんじゃこりゃあ!じゃねーよ(笑)
まあカイジが戦ってないというのもありますが、ピリピリ感や緊張感はあまりない。これまでのカイジシリーズを期待して読むと失敗する。
賭博堕天録カイジ 和也編 全10巻のまとめ
『カイジ和也編』は、どうも福本伸行センセー、ぬるいお茶ありがとうございました、って感じの内容。
敵として和也がビミョーすぎる。結構鬼畜な展開に発展するかと期待して読み進めてたら、気付いたら終了してた。最後の最後まで見所や山場やクライマックスはなかった。序盤の和也の小説・串刺しカップルネタがピークか。
大人買い★4には設定してますが、あくまで次の展開を知るため必要ってだけ。次のシリーズではカイジと和也がようやく対決。ワンポーカーというゲームで、マリオとチャンも同席する。純粋に作品を評価するなら、★3点。テンポも悪い意味で★4.5に採点。上滑り気味でサラーっと読めるってだけ。
ちなみに8巻ではカイジシリーズ500回記念として、主にヤンマガ連載陣のお祝いイラストが載ってます。

板垣恵介はカイジシリーズの作画を担当しても案外問題なさそう(笑)
他にもちばてつや、CLAMP、弘兼憲史などそうそうたる御仁方。今は亡き、風間やんわりのイラストも載ってまふ。
◯展開★3.5◯テンポ★4.5
◯キャラ★4◯画力★3
◯大人買い★4
◯82点!!!!